ジーカラットは伝統から流行まで群馬を中心としたウェブマガジンです。

-今後、このカフェで新しい商品などは考えていますか?

黒澤 2022年にはランナーの方に監修してもらってランナー用クッキーを作りました。ビーツを使ったクッキーで、血流を促進する効果があるそうです。それと、塩分の強いソルティーナッツのクッキー。クッキーはカロリーも高く、携帯もできるのがいいと思います。
2024年は郷土料理を作りたいと思っています。今考えているのは「ゑびし」というもので、見た目はゆべしのようなもの。小麦粉をこねて、棒状にして包んでゆでたもので、醤油味で甘じょっぱい味。この周辺と、秩父くらいしか作っていないレアな料理です。

-神流町の特産品というと赤じゃがもありますね。

黒澤 2023年は赤じゃがで、「きつねコロッケ」というのを作りました。赤じゃがってあまりコロッケには向いていないんです。コロッケにはホクホク系のじゃがいもが向いているんですけど、赤じゃがはねっとり系。つぶすと、べちゃっとしちゃう。でも練ると美味しい。だから練った生地を油揚げに包んで「きつねコロッケ」を作りました。9~11月、赤じゃがの旬の季節の商品ですね。
厨房が狭くて、1日中揚げ物はできないので数量限定になっちゃうんですけど、とても好評だったのでぜひ来年もやりたいですね。

-「かんな恐竜パンケーキ」は神流町ならではですよね。恐竜のチョコと骨の化石がのっていて、あわばたジェラートがのっている。恐竜センターとのコラボなんですか?

黒澤 特にそういうものではなく、勝手に作ってます。恐竜センターの帰りに来る方とか、恐竜が好きな方とか来られるので、恐竜を乗せちゃおうと。

-恐竜好きな方多いですよね。神流町には恐竜の足跡(瀬林の漣跡)もあるし。

黒澤 私も、神流町のゆるキャラのサウルスくんのぬいぐるみを持って行って写真に撮る「ぬい撮り」を結構やっています。滝とかに行って。そうすると恐竜好きの人が反応してくれて。
サウルスくんは意外と扱いやすいんですよ。サイズもちょうど良くて、ちゃんと座ってくれて。大人にも子どもにも人気だし。

-恐竜好きが集まる神流町ですね。

黒澤 そうですね。恐竜センターに来るために、結構遠くから来る人もいるし。

-他には何か新しい構想がありますか?

黒澤 2023年はあまり季節のものが作れなかったので、それは課題ですね。引き続き郷土料理の勉強はしたいなと思っています。
今は、オープン当初にはなかったメニューも増えています。当店オリジナルブレンドのコーヒーも当初はなくて。あと、今はメロンソーダが人気です。今、メロンソーダブームというのもあると思うんですけど。

-推し色用で赤、青、黄色、緑、オレンジみたいに提供しているお店も多いですよね。

黒澤 推し活でね。

-いろんな色を揃えるのは大変ですよね。サウルスくんの色ということでメロンソーダの緑だけでもいいのかな。神流町の大塚酒店さんに「サウルスくんメロンソーダ」はありますよね。

黒澤 そういえば最近、大塚酒店さんで「サウルスくんメロンソーダ」ができたんですよ。

-先日、大塚酒店さんに伺ったときにはなかったかな。カレーは見せてもらいましたけど。それも売ってはいないみたいですね。

黒澤 カレーはトレランの参加賞でもらえたみたいですね。あれは町で開発した商品みたいですね。

-写真を見ると、じゃがいもがゴロッと入っていて。

黒澤 このあたりは芋が良くとれるので。芋がメインのカレーみたいです。

-でもいろんなクリームソーダがありますね。いちご、オレンジ、メロン、いちごミルク、コーヒーフロートも。

黒澤 やっぱりメロンソーダが人気かな。トレランの人に人気なんですよね。

-神流町はトレランも盛んなんですね。

黒澤 今年、うちが主催のトレランのイベントもありました。高崎市吉井町にトレイルランナーの白川裕登さんという方がいて、一緒に企画してスタンプラリーやったりとか。

-いろんなことをやっているんですね。本当にお忙しそうですね。

黒澤 めちゃくちゃ忙しかった。お店普通にやって、山に現地調査行って、スタンプラリー用の看板つけたりして。でもその分、お客さんがいっぱい来たからいいかなと。
トレランって、大会の時しか人が来ないというのが結構課題で。去年は試走で来る人が20人くらいしかいなかったんです。大会の時以外にも人に来てもらうために、トレイルランナーの方と話し合って、スタンプラリーを企画しました。今年は250人くらいが来てくれたので、やっぱり何かがないと人は来ないんだとわかりました。そこにポスターもありますよ。

-「走ったらイイコトあるかんな」というキャッチコピー。大会当日だけでなく、試走に来ていただくことも大事なんですね。

黒澤 はい。試走にも来ていただきたいと。秋は来てもらって盛り上がったので、また春も来てもらうようにしようというのが、2024年目標です。

-スタンプラリーはどんな内容だったのですか?

山の中のトレランのコースや、神流町内のお店にQRコードの書かれた看板を置いて、読み込むとポイントがたまるんです。ポイントをためると景品がもらえます。景品は、トレランのレジェンド、鏑木毅さんの直筆メッセージを神流町産の杉に焼き付けたキーホルダー。神流杉のPRにもなっています。鏑木さんは神流町の大会のプロデューサーもやっている方です。これはすごく人気でしたね。キーホルダーを最初は100個作ったんだけど期間終了前に終わっちゃって、40個追加したんだけど、すぐ終わっちゃいました。大好評でした。

-ちょっと見てもいいですか。「走ったらいいことあったよ」って書いてある。「走ったらイイコトあるかんな」のアンサーになっているんですね。

黒澤 そうです。「~かんな」のシリーズを続けようと思っていて。「走ったかんな」とか。これをインスタのタグ活動でもやっていて。

-全部車で回れるルートなんですか?車で入れないルートもあるんですか?

黒澤 車だけで行けるところと、ちょっと歩くところもあります。大冒険ですね。
私自身はトレランはしないです。山には時々写真を撮りに入るんですけど、走るのは無理かなと。でもランナーの皆さんは体力がある方達で。朝からずっと走っていて。
自転車とかトレランとか、アウトドアレジャーの方がどんどんやってくる町になるといいなと思っています。

-「ダイニングバー神那」のマスターは、自転車の修理もされる方ですよね。自転車に乗るために神流町に来る方もいますよね。

黒澤 そうですね。神流町の自然の楽しみ方はたくさんあるので、しっかり受け入れをしていきたいですね。

-それではずっとお忙しいですね。新商品開発のための時間を作るのも大変なのでは?

黒澤 本当、イベントもたくさんやっていてどうしようかと。今年、勢多農がひょう害に遭ってしまって、勢多農との活動はあまり一緒にできませんでしたが、トレランが大きなイベントになりましたね。あとは神流町の「木古里(きこり)」さんと一緒に桜山公園にも出店しました。桜山公園の中に有料で借りられるカフェがあるんです。昔管理棟だったところで、無印がプロデュースしていて。桜山も盛況でした。

-桜山公園も、そろそろシーズンオフになりますね。

黒澤 桜山、面白かったです。これまであまり行ったことがなかったんだけど、あんなに整備されていると思わなかった。あそこから神流町の御荷鉾(みかぼ)山も見えるんですよ。地元にいるよりも遠くから見るときれいに見えたりして。木古里さんや、トレランもそうですけど、いろいろな人と関わりながら、協力しながらいろいろ新しいことをやっていきたいですね。

-桜山では何を販売されていたのですか?

黒澤 私はお食事処担当で、カレーとナポリタンを出して。木こりさんはコーヒーとお菓子担当。一軒まるまる借りて、平日に出店しました。また来年も冬桜のシーズンに出店しようと思っています。もしかしたら2月、ろうばいの咲く頃にも人が集まるそうなので、また行くかもしれません。桜山公園は紅葉と冬桜、11月下旬の頃が一番賑わうらしいです。ライトアップもあって。今年は紅葉が遅かったみたいですけど。

こちらはまるはちカフェで提供されている「ナポリタン」

-来年もお忙しそうですね。

黒澤 はい。いろいろイベントをやりながら。

-紅葉と冬桜がちょうど一緒に見られる時期にライトアップがあるんですよね。

黒澤 そうそう。入口のほうと上のほうで標高差が400mくらいあるから、花の時期が全然違うんですよね。そこから結構登りますよ。

-そうなんですね。

黒澤 山から目線ですけど。

-「山から目線」。新しい。初めて聞きました。

今日はどうもありがとうございました。

1

2

コメント

この記事へのコメントはありません。

RELATED

関連記事

PAGE TOP