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【美濃屋豆腐店】全町民が待ち望んだ、想いと大豆の詰まった「まんばどうふ」(神流町)

手作り豆腐並びに豆腐を揚げ加工した油揚げと厚揚げの製造販売を行っている。豆腐は、神流町の前身である万場町の時代から当地で60年間作り続けられ、多くの方々に愛されていたが、2年前に絶版となってしまった手作り豆腐である。大豆の含有率が高く、濃厚で重量感のある固さが特徴的な商品である。また、上記商品の他に地域の特産農産品の一つである「粟ばた大豆」を使ったブランド豆腐の開発を行い、令和6年中に商品化を果たし地域の食文化の振興に努める。

--お豆腐作りの一連の流れを見せていただきまして、ありがとうございました。本当に手間のかかる作業で、冬場は水が冷たい大変な作業ですね。

高橋さん たくさんの水を使いますが、窯の近くにいたりするとそうでもないんですよ。結構湯気で暖かいんです。冬は昔も手伝ったことがあるのでわかるのですが、逆にまだ体験したことのない夏の方が大変そうですね。

--色々な機械がありましたが、これらはお父さんの時から使っていたものですか?

高橋さん はい、そうです。
今はもうない機械だったりするので、もし壊れたら大変なんです。
でも、どれもちょっとしたことだけど、使いやすく工夫をされているものだったりするので、これからも大事に使っていきたいですね。

--おからもとてもキレイですね
高橋さん 2段階で濾すけど、1回目のおからの方がしっとりしていて美味しいんですよ
豆腐と併せて、おからが欲しいというお客さんも結構いて、先日は豆腐もおからも完売しました。

インタビュー中、中に人がいると気づいたお客さんが次々に来店。
対応でインタビューが途切れること4~5回にも及びました

--本当に人気がすごい。みなさん通りかかって開いていれば買っていく、という感じですね。

高橋さん 開いてればすかさず寄ってくれるんですよ。
郵送もしていないので、とにかく店に買いに来てもらうしかないんですけれど、それでもたくさん買いに来て下さる。ありがたいことです。

--お豆腐って、おすすめの時期ってあるんでしょうか。1年中安定しているようなイメージなのですが…

高橋さん これといった旬の時期というのはないけれど、お盆、暮れは地域の皆さんのご協力がありがたいですね。この地域だと、しめ豆腐 (豆腐を巻きすで巻いて茹で、水分を抜いた物)をおせち料理やお盆のごちそうにつかうこともあって、年の暮れとお盆はすごく忙しいですね。一般的な豆腐ではしめ豆腐が作れないんですよ。柔らかすぎて。

--美濃屋さんのはしっかりしているお豆腐ですものね。

高橋さん ばあさんが亡くなってからわかったんですけど、他の所で買うと、全然違うんです。
うちの油揚げはふっくらと厚くて、揚げたては本当にうまい。
お客さんにも評判が良くて、普通の豆腐より油揚げの方が多く作るほどでしたね。

大豆をすりつぶして煮立てて、濾して、おからと豆乳にわけ、豆乳ににがりをいれて固めると豆腐になります。
にがり入れた後が、普通の豆腐と揚げ用にする豆腐とでは違うんですよね。
にがりの量は同じなんだけど、豆の量とかき混ぜ方が違う。

しかもオヤジとお袋がまた違ったんです。オヤジはゆーっくり混ぜるんですけど、お袋はシャカシャカと。あれ~?ゆっくり混ぜるんじゃなかったの??って(笑)
どこの豆腐屋さんも基本はあるんでしょうけど、
かき混ぜ方とか、豆の量とか色々あるんでしょうね。
たまたま機械屋さんとどうやってレイアウトするかになって、別のお店の仕事場に入れさせてもらえたことがあったんです。
そこで豆の量を見させてもらったら、1釜36丁に対し、おそらく三升だな、と。うちは更に多くの大豆を使用しており、ああ、やっぱり違うんだなって思いました。

国産の大豆を使った方がいいのか、安定した入荷のある海外産を使った方が良いのか、と迷っているのですが、将来的には地元産のあわばた大豆を使って、豆腐を作れたらいいな、とは思っています。
「神流町産あわばた大豆のざる豆腐」を作るのが目標ですね。

実際に味わってみた「まんばとうふ」は本当に今まで食べていた豆腐とは違い、とてもずっしりと詰まっている感じのお豆腐で、味もしっかりとしていて、とても美味しかったので、次回は「しめ豆腐」作りにもチャレンジしてみたいと思いました。

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