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先ほどから家族愛を感じるエピソードが多いのですが、女将さんとお兄様の仲はどうでしたか?

女将さん:とても仲が良かったですね。ケンカなんてほとんどした記憶がありません。何かを考えて企画するのは兄でしたが、それを実行するのは私でしたから。私には頭が上がらなかったんじゃないでしょうか(笑)。兄は一昨年(2021年)に69歳で亡くなりました。その3年前に肝硬変と診断を受け、色んな薬を試しましたが効き目がなくてね。腹水でお腹もパンパンに膨らんでしまったの。医師から肝臓移植するしかないって話を受けたら、本人も「やってみたいんだ」って。「じゃあ私の肝臓あげる」ってすぐに返事したんです。怖いとか不安とかいう気持ちは一切ありませんでした。それよりも「兄を何とかしてあげたい」って気持ちの方が強かったですね。

右側が4代目の憲保さん。東日本大震災の時に被災地で行った炊き出しの様子

本当に仲が良かったんですね。お二人で写っている写真も多い気がします。

女将さん:うちはずっと商売していましたから、週末に家族で出かけるということはありませんでした。幼いながらに少し寂しく感じた時期もありましたが、その分、店が休みの日は両親が必ずどこかに連れて行ってくれたんです。旅行にキャンプにと、本当に色んな場所に連れて行ってもらいました。

ご両親の愛情を感じていたからこそ、お兄様も女将さんも家族思いなのですね。女将さんはいつ頃からお店に入られたのですか?

女将さん:私ももともとお店に入る気はなかった。銀行員になりたくて、前橋商業高校に進んだんです。でも、お店が忙しくて母から手伝ってほしいと言われ、渋々手伝うことに。気づいたら半世紀が経っていました(笑)。

女将さんを始め、従業員の方々がお仕事する上で大切にされていることは何ですか?

女将さん:たくさんありますが、やっぱりお客様に喜んでもらうことが一番。せっかく来てくださったお客様に「初日に来てよかった」「また初日に行きたい」と思ってもらいたいですし、私自身、人が喜んでいる姿を見るのが大好きなの。お客様がうれしいと思うことは何だってしてあげたいんです。

具体的にどんなことをされているのですか?

おもてなしについて書かれた信条。いつでも見られるよう厨房に貼ってある
手作りのプチデザート。この日はキャラメルプリン

女将さん:お祝いごとで利用してくださるお客様には、お写真の撮影サービスをしています。撮影したら台紙にしてお渡ししているのですが、家族揃って写真を撮ることがあまりないようで、皆さんすごく喜んでくださいます。「ここで撮ってもらった写真がこんなに増えたよ」なんて声を掛けてくださる方もいて、ありがたいですね。あとは、ちょっとした会話の中で誕生日のお客様がいると分かったら、小さいですけどサプライズでケーキを用意したり。これもすごく喜んでもらえるのですが、その姿を見るのが私も嬉しい。食事後には必ず、お茶と一緒に手作りのプチデザートもお出しするようにしています。そのほか、落語会やコンサート、ホタルを観る会、8月21日は「はつひの日」にちなんだイベントなど、年間通してさまざまな催しを企画していますよ。

明朗快活なスタッフが多いのも同店の魅力。
お客様が喜んでくれそうなサービスをスタッフ同士でよく話し合っているという
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