ジーカラットは伝統から流行まで群馬を中心としたウェブマガジンです。

店の工事が終わっていよいよ再開、焼肉の反響はどうでしたか?

和典さん:かなり好調でした。1999年(平成11年)に再開したんですが、忙しくて2年くらいは無休でしたね。家と店から一歩も出れない状態が続いて、引っ越した荷物もそのまんま。でも「始めたからには」っていう責任もあったし、お客様に鰻だけじゃないってことも知ってほしかったから、とにかく必死に働きました。

お肉は鳥山牧場産の赤城和牛を提供されていますが、これは最初からですか?

和典さん:そうです、鳥山牧場の社長さんが幼馴染というのもあるんですが、とにかく生産体制にこだわっているのを知っていたし、焼肉をやるなら絶対にここの肉しかないと思っていました。それぐらい他の肉にはない深みとコクがあります。

味付けはどんな風に工夫されていますか?

和典さん:味付けに関してはかなり研究しました。食べ比べたら分かりますが、それぞれの肉によって持っている味が全然違うんです。中でも、赤城和牛はとにかく旨みが豊富。自分も色んな肉を食べてきましたが、ここまで深い旨みを持つ肉はありません。日本一だと思います!それに合うよう、最初は濃い味付けにしてしまった。足し算するばかりで引き算ができていなかったんです。敢えて薄くしたら肉の旨みが引き出され、よりご飯に合うようになりました。納得できる味になるまで数年はかかったかな……いいと聞いたものは何でも混ぜてみたり、失敗を繰り返しました。
 鰻のタレと同様、焼肉の味付けも口外禁止です。これに関しては、両親も妻も知りません。割とあっさりした口当たりだと思いますよ。

お肉もさまざまな部位を揃えますが、中でもホルモンがオススメだそうですね。

和典さん:最初に修行させてもらった店で、私が一番最初に任せてもらったのがホルモンだったんです。「ホルモンだったらお前に任せてやるよ」って、屈辱的な言葉でしたね。だから「絶対うまいホルモン出してやる」って、その時に心に誓ったんです。ホルモンは自分がおいしいと思う部位のみを使用して、下処理にも手間暇をかけてます。絶品ですよ!

永子さん:お米にもこだわっていて、川場村の外丸農園さんから仕入れています。私はお客さんにすぐ頼っちゃうの、何でも教えてくれるから。お米納めてくれる業者さんを探していた時、お客さんとして来た若い男の子に「どこかいいお米知らない?」って聞いたら、「うちお米作ってるよ!日本一いいお米だよ!」って。「えー、ほんと!?じゃあ持ってきてくれる?」ってことで話が進んだの。

お母さんのお人柄の賜物ですね。

永子さん:男の人でも女の人でも私のファンは結構いるんですよ(笑)。「お母さん、会いに来たよ!」って言ってきてくれる人もいてね。恥ずかしいけど、色んな人が「お母さん」って呼んでくれるの。65歳で「もう終わりにしよう」って思っていたけど、まだまだ続けさせてもらっている。自分たちだけじゃない、本当に皆さんのお陰です。

1

2

3 4

コメント

この記事へのコメントはありません。

RELATED

関連記事

PAGE TOP